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第18話
正直に言おう、有馬宮日榊との交尾は最高だった。
私は彼と番いたい。
日榊の発情期の後、スマホのメッセージに気付いた。
2、3日考えてから、榊さんとコンタクトを取りホテルで会って、2人で貪りあった。
私は日榊と番いたいと思いながらも、榊さんを手放せそうもない。
榊さんに対しても自分のメスとして好きな気持ちが固まっているのだ。
私は正直に榊さんに自分の気持ちを話した。
彼は一つ頷き、それで良いと応えてくれた。
彼は私のメスでいる事を望んでいると言う。
だが、流石に日榊に会いにくいから、自分の事は言わないで欲しいとも頼まれた。
秘密の関係を続けたいというのだ。
見た目の厳つさに反して可愛らしい人だ。
しかし、秘密の関係とは続けられるものだろうか。
日榊はΩ故に、αのフェロモンには敏感で直ぐにバレるような気がする。
榊さんは自宅ではなく、最近は別に持っているマンションで暮らしていると笑った。
確かにそれならばバレやしないだろう。
話が纏まり、チェックアウトしてこの日は別れた。
榊さんと話し合っている間に日榊からメッセージが届いていたようだ。
今夜時間を作ると返事をする。
職場にて溜まった書類を捌き、日榊と会うまでの時間を潰す。
榊との出会いと日榊の発情期以降、それまでいの一番で取り組んでいた仕事は時間潰しへと様変わりした。
だが、効率が落ち内容もおざなりになったかと聞かれれば、そうではない。
内容は更に充実し、効率がグンと上がった。
決算の時期になれば、会社の成績も右肩成長だと目に見えて分かるだろう。
愛する者が出来、良い意味で肩の力が抜けたのだ。
夜8時に会社を出て、日榊を待たせているレストランに向かう。
初めてのデートだ、ウキウキとした気持ちが治らない。
そう思っているのは、自分だけだったと打ちのめされたのは直ぐの事だった。
日榊の鋭い目に射抜かれながら、私は榊さんとの事を問われた。
私は、これまでの経緯を洗いざらい話して、日榊と番いたい旨を告げる。
榊さんとの事はバレているのだから、榊さんとのこれからの関係もちゃんと告げる。
日榊は見た目はαのようでも、やはりΩだった。
私の決めた事に頷き、当たり前のように受け入れてくれた。
疑問は聞くがΩが従順であるというのは誠で、彼はすんなりと納得してみせたのだ。
だが、私を地獄に突き落とすのも上手かった。
日榊は、発情期と行事、子供関連の事以外は榊さんと過ごすよう勧めてきたのだ。
それは納得できない。
私は榊さんも日榊もどちらも愛している。
どちらにも自由に会いたい。
日榊の弁は、あまり兄にΩのフェロモンを近付けたくない事、俺の他に島津のオッサンと撫子が居るから寂しくない事、榊さんは子供を産む事が出来ず孤独になりやすい事を挙げられると、私は納得せざるを得なかった。
私は日榊の意見を呑み、普段は榊さんと過ごし、暫くは発情期婚をする事に決まった。
そして榊さんに既にバレていた事と今後の事を報告して、榊さんが私の所有するマンションへと移り住む事まで決まった。
童貞捨てたら中々のクズっぷり、徳川エリックでした。
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