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第17話
発情期にあんなに満足感に包まれたのは初めてだ。
外性器がしっかりと奥まで届いたのも。
発情期の後に島津氏から、提案された事がある。
頸まで届かず噛めなかった事を謝まられ、どうせ噛む事が出来ないのだから、徳川氏とウィンチェスター女史と島津氏と俺の4人で番わないかというものだ。
何故かと問えば、彼等は俺と今回の発情期を過ごすまで、外性器のサイズのせいで交尾をした事が無かったと言う。
ウィンチェスター女史と島津氏は本当にそうなのだろう。
徳川氏に関しては割と最近、榊兄さんから同じフェロモンを感じた事がある。
精液に満たされたであろう胎も。
気になってはいるが、特に何も言わない徳川氏にも異論は無いのだろう。
4人で番って、兄を悲しませる事にならないだろうか。
少し考える時間が欲しい旨を3人に伝える。
このまま妊娠が発覚すれば、どの道父親をしたい誰かと番う事にはなるだろう。
生まれて検査をするまで、誰の子かも分からないのも確かだ。
今回の発情期は、俺も確実に妊娠しているとは思っている。
彼等が番の希望を出したのも、父親になりたいからだろう。
だが、徳川氏と榊兄さんには別でちゃんと聞かなくてはいけない。
不可抗力とはいえ、兄の恋人を横取りするような真似をしてしまったのだ。
あの日は本当に俺と同じ空間に居たにも関わらず、榊兄さんは俺が近づくまで機嫌が良かった。
だからこそ、真意を問いたい。
俺は兄を不幸にしてまで徳川氏と番う必要は今のところ無い。
あの人のフェロモンは好きだが、ウィンチェスター女史も島津氏のフェロモンも好きだ。
彼等の人柄も誠実さや紳士的だ。
徳川氏も真摯に愛を語ってくれたが、榊兄さんと関係があるだけに、何を考えているのか真意が見えない。
スマホのメッセージアプリは、だいたい彼等3人で埋まっている。
先に榊兄さんに連絡を取るか、徳川氏に連絡を取るか迷っている。
榊兄さんは発情期以降、この家に帰って来ていない。
きっと、俺が徳川氏と発情期を過ごしたのを知っているのだと思う。
Ω嫌いだと言いながらも、どうにか顔を合わせるくらいのコミュニケーションを取ってくれていたのが、突然無くなったのだ。
無理に近付く事は無いが、榊兄さんなりの兄弟のコミュニケーションだと知っている。
優しい彼はきっと心を傷めているだろう。
俺は兄を暫くソッとしておく事にして、徳川氏に会えないかメッセージを送った。
モテ気到来のガチムチ有馬宮日榊、28歳男性Ω。一度の発情期に最上位α3人と4P。
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