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第2話

「この度はご愁傷さまです」 「もうついていけない。ごめんなさい」 「今後一切関わってくんなよ」 俺は何を間違えてしまったのだろう。 五年前、中学卒業を前にして両親が火事で他界。その際、俺と弟は家から出ていたから助かったが、有休を取り家にいた父と家事をこなしていた母は逃げ遅れて亡くなった。それからは叔父家族に引き取ってもらい暮らしていたが、そこの子供たちには余所者として散々な仕打ちを受けた。そのせいで真面目だった弟は高校を中退。悪いグループとつるみ、暴行事件などを繰り返した。ついには「助けてくれなかった兄貴のせいだ」と俺のせいにまでして、俺の恋人や友人までも襲った。それがきっかけとなり俺は完全に周りから見離された。 俺が何かをした訳でもない。ただ、周りの環境が悪かっただけだ。 何よりも辛かったのが恋人に振られたことだ。「元」恋人は、俺が両親を亡くし病んでいた時に一番傍に連れ添ってくれていた。それもあり、三年ほど前から交際をしていた。度々弟にちょっかいを掛けられていたが、それでも俺と居たいと言ってくれていた。しかし、つい先日ついに別れを切り出されることとなる。そろそろだとは思っていたが、それでも辛い。しかも弟の暴行が原因で別れたと思っていたのだ、俺は。そうしたらその三日後にはほかの男と交際をしていたらしい。なんでも、俺と付き合っている頃からその男とある程度の関係を持っていたのだ、と。それなら、俺の存在は一体なんだったんだ。 誰も味方が居ない。「助けて」叫んでも傍に駆け寄ってくれる人は居ない。もう誰も信じられない。こんな世界、いい事なんてない。 誰も、俺を見てくれないのなら。

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