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scramble!!

「本日はお日柄もよく晴れ晴れとした天候です。近頃勉強ばかりで疲れてらっしゃるあなた様のためというか私が貴方と散歩に行きたいということでお出かけしましょう私と」 「甘いもの好きな坊ちゃんのためにデザートの材料買いに行きたいんだー帰ってきたら作ってあげるからついてきてくれるー?てかついてきてよー」 「いででで!お前ら両方とも手をどけやがれ!ちぎれる!真中からべりって裂ける!パーンッてなるパーンッて!」 「ほら坊ちゃんもそう言ってるしー甲斐田さんそろそろ離してあげたらどうー?坊ちゃんは俺とお買い物いくんだー!」 「貴方が離せばいいだけの話でしょう。私は譲りません。是非とも私と公園でお散歩プレイを」 「お散歩プレイってなに!?」 「じゃあ俺も譲らなーい」 俺の右腕を赤松、左腕を甲斐田がとり、間に挟まれた俺はこめかみを引くつかせている。なんだなんだこの状況。機嫌?いいと思う?いいわけないだろ! ぶーぶーいいながら俺の腕を引っ張り合いする二人に殺意がわいた。頭の上で会話するな巨人どもめ! なぜこうなったかという理由はない。廊下を歩いていたらこうなった。自然的な流れでこうなっていた。どうしてかは俺が本当に聞きたい、 玩具の取り合いでもしてんのか、こいつら。 お気に入りの玩具をどちらが先に遊ぶかでもめる幼稚園児。最初に言っておくが当然双方とも立派な大人である。大人と大人が本気で引っ張りあいをすれば、耐えきれなくなるのはぬいぐるみの方。 腕の縫い目が引きちぎられて中身が飛び出した無残なぬいぐるみを思い浮かべる。ぞわりとした。あんなふうになりたくない! 取り替えのきく玩具じゃないんだ俺は!!そこんとこ考えてくれたら嬉しいな優しくして。デリケートなの。それに、中身パーンッ!てなったら困るのはお前らだろうが。だれもそんなグロテスクなシーン望んでない!

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