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scramble!!
「まったく……甲斐田さんってなんで毎回毎回俺の邪魔をするの?うらやましいの?ツンデレなの?いまどきツンデレなんて流行んないし、おっさんのそれとかもはや吐き気が誘われる気持ち悪さだからさ。やめといたほうがいいよ?」
「誰がツンデレですか?仮にそうだとしても私は貴方だけにはデレませんよ。死んでもデレません。私に忠告する前に、その気の抜けるしゃべり方を控えたらどうです?頭の緩さがばればれで、聞いてるこっちが不快ですクソガキが」
あっまずい奴だこれ。ヒートアップしていく悪態と二人の目つきに危機感を覚える。赤松のへらへらした笑いが薄くなっていってるし、甲斐田の口調も雑になってきている。
このまま放置していれば喧嘩勃発は免れない。こんな成りだが一応ヤクザ幹部を務める実力者が力の勝負に躍り出たら。
間に挟まれている俺への被害を考えただけで生唾を飲み込んだ。怖いんだよ!俺のいないところでやれよな!そう訴えても受理されないのは言うまでもなかった。
「だー!仕方ねえな!公園にも買い物にも行ってやるよ!だが寄り道は却下する!まっすぐ行ってまっすぐ帰ってくる!その条件でいいなら行ってやる!だから暴れるんじゃねえ!」
やけくそで叫んでやった。どうせこういう結果になってたんだ。残念さと後悔が押し寄せてくるが強引にねじ伏せる。後悔はしたくない主義だ。
俺の言葉に、表情を明るくさせる二人。確信犯だろ!?結局甘くなるから俺は駄目なんだろうなって自覚してるけど、性分なもんで仕方がない。
まっいいか。単純な言葉で落ち着いてしまう自分が一番救えないと思った。
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