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第1話《地獄の日々》

青森県のとある田舎の村、昔ながらの木造建築の二階建て一軒家… 蝉が威勢よく鳴いているその季節。 そこに一人の少年が苦しみに耐えながら生活していた…。 家主は、少年の義理の祖母にあたる人物。 義祖母は、子持ちの男と娘の結婚に強く反対していた為、その息子である少年への態度も冷たいものだった。 そして義祖母の娘である義理の母と、少年の三人で暮らしている。 少年の父親は、少年が三歳くらいまでは一緒に暮らしていたが、経済的理由で東京へ出稼ぎに出ていて、数ヶ月に一度帰ってくるか来れないかの状態… 少年の名前は、北上由里(きたかみよしやす) 今年、小学五年生になった。 しかし発育不足ぎみな体は…1、2年生と同じくらいに見える。 いつも伏し目がちで、つねに人の顔色をうかがう…おとなしい子ども… 由里は虐待されていた‥ 体罰は日常茶飯事… 毎日言葉の暴力を浴びせられ、食事も満足に与えられない時もあり… 時には、暗い納屋に数日間閉じ込められることも… 由里はつねに怯えていた… 義理の祖母と義母からの暴力に…

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