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第52話

半ば強制的に由里を連れていく… 遊ぶといっても由里にとっては堪え難い時間… この三人は由里で遊んでいるのだ。 「ほら、なんか話してみろよ!」 「っ…ぼ、僕は、ゆーりじゃない、僕の名前はよしやす…だから」 勇気を出してキッと言い返す由里。 しかし… 「はははっちゃんと話せよ!」 三人で大笑いする。 「……っ」 由里がいじめられる原因は…方言。 今までは青森の田舎で育ってきたため…自分の話し方がおかしいなんて思わなかった。 テレビもろくに見せてもらっていなかった由里には、東京弁はとても聞き慣れないもの… 普段、父さんだって自分と同じ喋り方だから… でも、こっちの小学校に来たら…みんなの話す言葉が、自分とかなり違うことに気付いた。 わかっていても…いままで染み付いた話し方を急には変えられない。

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