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第56話

「僕、英語と算数が習いたい!」 「分かった、それなら今度、休みを取るから一緒に行ってみよう」 父は優しく笑って頷く。 「ありがとう、お父さん!」 嬉しくて自然と笑顔が零れる。 父と暮らせる今がとても幸せな由里… 少々いじめられても…優しい父親さえ居てくれたら… 他に何もいらなかった… そして、由里は学校から帰ったら塾へ行くことが習慣になった。 家からすぐのバス停から停留所ふたつ越したところにある塾へ、平日は通っている。 ある日、いつものように塾を終え、停留所で帰りのバスを待っている由里… 周りには数人塾帰りの子どもがいるが…知らない子ばかりなので話したことはない。 時刻は19時過ぎ… 温和しく後ろの方でバスを待っていると… 「こんばんは、大分涼しくなったね」 なにやらいきなり馴れ馴れしく話し掛けてくる青年…

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