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第67話《だいじょうぶ》
それから数日、父は朝早くから家を出て、毎晩遅く帰ってくる。
休みもしばらくない様子…
それでも、必ず二人分の夕食を買って戻ってくる父。
一緒に食べる習慣は違えたことがなかった…
しかし…
今日は夜中11時が来ても帰ってこない…
心配しながら待ち続けていると…
夜0時が回ってようやく戻ってくる気配…
入口のドアが開いて閉まる音…
「お父さん?」
いつものただいまの声がないので不審に思う。
様子を見に玄関へ行く由里…
「あぁ、ただいま…遅くなってすまないな…これ、晩ご飯…」
父はそう言ってお弁当の入った袋を渡してくる。
しかし、その顔は蒼白で…額に脂汗が浮かんでいて、無理に笑っているがなんだか苦しそうに見え…
「どうかしたの…?」
心配になって聞くが…
「いいや、ちょっと働き過ぎたみたいだな、心配ない…」
苦笑いでかわす父…
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