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第77話
「ホラ歩け!」
言われるまま部屋の中へ入る由里。
「獲物連れてきましたよカオルさん」
由里を突き出しながら待っていた男に言う。
「来たか…ってマジガキだなぁ、こういうの専門はナオの仕事だろー」
ため息をつきながら、由里の腕を掴むカオル…
「仕方ないっすよ、ナオさん今海外っすから…」
「チッ、おい、ガキ…」
グイッと由里の腕を引いて顔を近づける。
「……っ」
由里はビクッと身体を震わせる。
「俺はナオと違って優しくねぇからな…これでココと手が切れるって言うからきてやったんだ」
ひとり勝手にぼやくカオル。
「えっ…なにが、ここどこ…?」
知らないオトナたちばかり…
不安と恐怖で凍りつく由里。
周りでは、カメラを構える人以外は出ていってしまう。
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