86 / 129
第86話
「終わりだっ」
カオルは構わず、荒っぽいキスを由里にして…瞳を合わせて伝える。
「終わ…り?」
「そう、初撮影終わり!俺は帰る、まぁ、思ったよりよかったぜ、じゃな…」
カオルは笑顔でいい、由里の頭をかるく撫でる。
「…え、まって…」
裸だし…ここは何処なのか…
これからどうすればいいのか分からない…
あまりにあっさりした対応に…つい呼び止めてしまう由里。
「俺の仕事はここまでだ、あとはコウヤの野郎が来て相手するだろ、待ってろ!」
去り際にそれだけ伝え、部屋を出ていくカオルとカメラマン。
由里は殺風景な部屋に一人取り残されてしまった。
「……」
なんでこんなことになったのか…訳がわからなくて…
なんだか不安になって、また涙が出そうになる。
脱がされた服を少しずつ着ようとしていると…
ともだちにシェアしよう!