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第86話

「終わりだっ」 カオルは構わず、荒っぽいキスを由里にして…瞳を合わせて伝える。 「終わ…り?」 「そう、初撮影終わり!俺は帰る、まぁ、思ったよりよかったぜ、じゃな…」 カオルは笑顔でいい、由里の頭をかるく撫でる。 「…え、まって…」 裸だし…ここは何処なのか… これからどうすればいいのか分からない… あまりにあっさりした対応に…つい呼び止めてしまう由里。 「俺の仕事はここまでだ、あとはコウヤの野郎が来て相手するだろ、待ってろ!」 去り際にそれだけ伝え、部屋を出ていくカオルとカメラマン。 由里は殺風景な部屋に一人取り残されてしまった。 「……」 なんでこんなことになったのか…訳がわからなくて… なんだか不安になって、また涙が出そうになる。 脱がされた服を少しずつ着ようとしていると…

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