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第87話
不意に長身の男が部屋に入ってくる。
「こんばんは、大丈夫?」
優しく微笑む青年…
「ッ…」
今度は何をされるのかと、由里はびくっと身体を強張らせる。
「怖がらなくていいよ、俺は何も危害は加えないから…」
さらに近づいて優しく微笑んだまま由里の手を取り伝える。
「っ…え、なに…」
「恐かった?」
タオルで身体の汚れを拭い取りながら…
囁くように優しく聞く。
父さんもかっこいいけど…この青年も似た雰囲気でとてもかっこよく見える。
「ん…」
まだびくびくして上手く答えられない由里。
「服は洗濯して返すから…今はこれを着ていて?」
そう言うと子ども用のバスローブを羽織らせてくれる。
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