87 / 129

第87話

不意に長身の男が部屋に入ってくる。 「こんばんは、大丈夫?」 優しく微笑む青年… 「ッ…」 今度は何をされるのかと、由里はびくっと身体を強張らせる。 「怖がらなくていいよ、俺は何も危害は加えないから…」 さらに近づいて優しく微笑んだまま由里の手を取り伝える。 「っ…え、なに…」 「恐かった?」 タオルで身体の汚れを拭い取りながら… 囁くように優しく聞く。 父さんもかっこいいけど…この青年も似た雰囲気でとてもかっこよく見える。 「ん…」 まだびくびくして上手く答えられない由里。 「服は洗濯して返すから…今はこれを着ていて?」 そう言うと子ども用のバスローブを羽織らせてくれる。

ともだちにシェアしよう!