88 / 129
第88話
「あ…あり、がとう…」
反射的にお礼を言う由里。
「どう致しまして、ちょっと場所を移動してもらうけど…立てるかな?」
青年は手をさしのべながらゆっくり聞く…
手を取り立ち上がろうとする由里だが…
犯された部分がズキッと痛む…
「…痛ッ、っぅ…帰りたい、ここはどこ!?うちに帰りたい…ふっぅぅ…」
その痛みも手伝って不安なキモチが溢れ出す由里…
涙が滲み青年にすがって泣いてしまう。
「大丈夫だよ、ちゃんと家には帰してあげる、ただ、何も知らないままだとイヤでしょう?だから疑問に思うこととか色々教えてあげるから…」
ゆっくりなだめるように囁く青年…
穏やかな笑顔が不安な気持ちを幾分か落ち着かせてくれる。
「…色々?」
落ち着きを取り戻すように呟く由里。
「そう、この服が洗濯し終わる頃まで、俺と一緒にいてくれるかな?」
包み込むような優しく低い声…
ともだちにシェアしよう!