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第103話
「発音が、やっぱり濁ってる…まぁ、それは仕方ないけどね。ユウたちと撮影していくうちに直っていくと思うから…そんなに気にすることはないよ」
「……」
気にするなと言われても気になる。
学校では、この方言のせいで仲間外れにされたのだから…
「今日はね、ユウも撮影に来てるんだよ」
にっこり微笑んで気分を変えるようにコウヤは伝える。
「えっ」
その言葉に驚く…
「日曜だからね、小中学生は日曜祝日の9時ごろから撮影があるから…ちなみに今はAM10時だよ」
「10時!?」
普段では有り得ない寝坊な時間…
驚く由里。
「うん、たぶん、身体もだけど精神(こころ)も疲れたんだよ、気にしない気にしない…」
優しくさっして頭を撫でるコウヤ。
「……」
少し気恥ずかしくて俯いてしまう。
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