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第114話

「大丈夫。でも、ここは…みんな、それぞれに悩みを持ってる人が集まってるから、癖のある人だっているし…その言葉も、からかってくる先輩もいると思う」 不安そうな相方に、ゆっくり伝えるユウ。 「だからって、いちいちくよくよしない方がいいよ、場を盛り上げようと言ってる事が多いし、一緒に笑えるくらい強くならないと、ダメだから…」 あえて、ケガや手首の傷のことには触れず… ゆっくり教えていく。 あまり詮索するのは、好きじゃない… 自分も、気軽に話せるような…ことを背負っている訳では、ないから… 「うん、わかった…」 俯いてばかりだったヨシも、ユウの言葉を聞いて、まっすぐ、前を向くのだった。 「うん、あらためて、よろしく…」 「よろしくね」 ユウの優しい対応に笑顔で返事ができたヨシ。 新しく来た相方と、うまく仲良くなれるのか不安だったユウも、ヨシとなら…ちゃんと、やっていけるだろうな、と安堵するのだった。

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