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別別 1 浩side
浩side
「悪いな、送ってもらって。」
「構わないよ、それより和くん体調崩してる時に急に呼び出しちゃって悪いね、今度借りは返すよ。」
あれから陸に車で家まで送ってもらっていた。道中、渋滞に巻き込まれて思っていたよりすっかり遅くなってしまった。時計を見ると午前4時。さすがにまだ和は起きてないだろう。
そう思いながら自室のドアの前に立ったところで異変に気付いた。
「開いてる…?」
ドアが微かに閉まりきってなかった。いや、確かに戸締りはきちんとしたはず…。和が起きたのか?
何ともいえない緊張感の中、ドアを開けると見知らぬノートパソコンが玄関に無造作に落ちていた。拾い上げ中を見てみると、デスクトップには体育大会の写真だろうか、クラス写真が表示されていて。中心には、和と開生。おそらく和のパソコンで間違いないだろう。それがどうしてこんな所に落ちているのか。心拍数が上がる。
「和ー?起きてるのか?」
恐る恐る寝室を覗くとベッドはもぬけの殻。
「和っ…。」
冷や汗が額を伝う。
その時、
ピリリリッ───
タイミングよく鳴った通知音。期待を込めて急いで開くが、すぐにそれは崩された。
『浩
少しの間お世話になりました
結婚することになりました
勝手に出て行ってごめんなさい
もう連絡はしません
さようなら 和』
無機質に並べられた文字。手からするりと携帯が落ちる。
「う、そ、だろ…。」
崩れ落ちた俺の体はベッドに沈んだ。握りしめたシーツには和の匂いが残っていた。
どうしてそんな急に。俺が救ってやるって言ったじゃないか。俺に救い出して欲しいって言っていたじゃないか。あの笑顔は全部嘘だったのかよ…っ。
「和──…。」
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