1 / 6

第1話

みぃい、みぃー。小さくか細い助けを求める声が直哉の耳に届いた。鳴き声であろうそれはまだ動物の鳴き声のままであり声の主が幼く小さい事は容易に想像できた。助けて、助けてと鳴く幼子の声を聞いてしまえば無下に立ち去るなどという事を出来るほど冷たい心の主ではない直哉は出来ず近くにいるであろう幼子を探し歩いた。 「み、みぃ、みいっ」 俺の足音に反応したのかほんの少しだけ鳴き声が大きくなりやっと幼子を見つけた。無造作に置かれたボロボロの箱の中で縮こまり震える獣人の幼子。大きな耳に洗ってやれば綺麗な白銀になるであろう毛並み。テレビの画面で見るような子役の子供なんかよりも綺麗だった。 「大丈夫か、俺が助けてやるからな。」 まだ一人暮らしを始めたばかりで生活の余裕も無いというのに咄嗟に幼子を拾い上げそう言葉が漏れた。生き物だと思えないほど冷えた身体に捨てた奴への怒りが込み上げる。俺が幸せにしてやるからな。自然とそんな気持ちが直哉に芽生えた。

ともだちにシェアしよう!