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第2話

「なぁ!なぁぅ!!ぁー。」 「よしよしよし、ちょっと待て凛。」 あれから病院に連れて行き、回復に向かっている凛はとてつもなく可愛い子だった。お風呂に入れれば汚れは取れ綺麗な予想通りの毛並みに幼いにもかかわらず睫毛が縁取った大きな瞳はきらきらよく輝いている。 名前はダンボールの中に申し訳程度に貼ってあった燐の漢字を変え凛にした。そのまま使ってやるのもなんだか癪だったから。 「ん……ちょっ、くすぐったっりんん」 「なぁう、んー、なぁ!」 スリスリスリ、毛艶の良い毛が直哉の頬を撫でる。舌ったらずで上手く直哉の名前を発音出来ないのは凛の愛らしさを増している。獣人だからか拾った日から一月も経っていないというのに直哉の膝ぐらいだった身体は大きく太腿に届くようになっていた。このままだとすぐにでも身長を抜かされそうだ、そんな直哉の心配を他所に好きだと伝えるように頬を擦り付ける。 「俺も好きだよー、んふふ。」 ちゅ、とおでこにキスをしてベッドに二人で寝転がった。

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