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年越しました。(シロ+赤嶺×黒滝)

 年越しそばも食べ終え、芸人が尻を叩かれている番組を見ながら笑っている。   年越しました。  十二月三十一日、一人で年を越す予定だった俺は突然の赤嶺からのお誘いの電話に素直に喜んだ。  まるで本当の息子のように可愛がってくれる赤嶺の両親の手料理を食べては風呂に入り、今現在バスタオルを頭にのせながら赤嶺の部屋でテレビを見ている。  俺はフローリングに敷かれた布団の上で、赤嶺はその隣のベッドの上で。  一緒にベッドで寝ようと誘われたが丁寧にお断りしておいた。 「まさか最初のバスでビンタされるとはなー」 「すんごい顔してたよねぇ」  笑いながらテレビの内容を話していると、コンコン、と軽い音が室内に響いたことに気がつく。  どうやらその音に赤嶺も気づいたらしく、俺と目を見合わせたかと思うと辺りを見渡した。  けれどどこも変わったところはない。  気のせいだったのかと再びテレビへと顔を戻した瞬間、背後の窓の開かれる音に驚き勢いよく振り向くとそこにはシロの姿が。  頭に積もっていた雪を落とし靴をビニール袋に入れ部屋の中に入ってくる彼に思わず深く息を吐き出した。 「ビックリしたぁ。てか総長お面はー?」 「年越しのときくらいはいいかと思ってな」  窓を閉じ靴の入った袋を部屋の端に、歩み寄ってきたシロが両腕を広げたかと思うとそのまま俺を抱き締めてきた。  突然の彼の行動、伝わってくる肌寒さにぶるりと体を震わせつつ顔を持ち上げてみるとなぜか頬擦りされてしまった。 「そうちょー、俺の部屋でイチャイチャはんたーい」 「いや、だって黒滝の体が温かくてつい」 「えー、なら俺も俺も」  視界の端で赤嶺がベッドから立ち上がったことに気が付くが、シロが抱き締めているせいで動くことができない。  それでも反抗しようと口を開くが赤嶺が抱きついてくるほうが早く、その反動でバランスを崩した俺は二人を巻き込み布団の上へと倒れ込む。  痛みが走らなかったことに安心しながら閉じてしまったまぶたを持ち上げると、優しげな表情を浮かべているシロと目が合い、思わず息を呑んだ。 「黒滝、明けましておめでとう。今年もよろしくな」  そう言われ、初めて年を越していたことに気が付いた。  反対側から頭の撫でられる感覚にそちらへ顔を向けると、満面の笑顔の赤嶺が俺を見下ろしていた。 「クロちゃん。去年も今年も、ずっと大好きだよ」  二人の優しい表情、言葉に顔が熱くなることに気が付けば、自身の手のひらで顔を隠すが両サイドから小さな笑い声が聞こえさらに顔が熱くなった。 「……俺だって、二人が大好きだ」  らしくもない言葉を口にしながら顔から手を離すと二人は驚いたような表情で俺を見ていた。  そのことに今度は俺が笑い、両腕を伸ばせば二人を抱き締めた。   (終)

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