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第45話

バイトから帰宅した俺はすぐにazuの曲を聴いた。 sakuさんのTwitterから こないだの喋るazuの動画も漁る。 そして、確信する。 やっぱり、絶対そうだろ。 azuの声だろ。 でもそんなことあるのか? azuが同じ学校で、バイト先に来て、話して、 名前を呼ばれて?そんなことある? 基本プロフが分からないから 本人なのか確認しようがないし まさか本人に聞く訳にもいかないし。 力が抜けて、俺はベッドに横になった。 あの、蒼くんがazuだとしたら。 色素の薄い茶色の髪の毛に、白い肌、綺麗な手。 目も色素が薄く茶色くて、笑うときゅっと細くなる。 想像のazuより、大人びていて、子供っぽくて。 もっと見ていたかった。 話したかった。 近づきたかった。 はぁ、と息を吐いた。 友達と仲良さそうだったなー… いいなぁ… なんか、手とか繋いでたし。 そこでふと思う。 あれ、友達と指を絡めて手って繋ぐもんだっけ? 一瞬頭をよぎった考えを振り払う。 すごく仲が良かったら そういうこともあるのかもしれない。 azuの曲をかけたままうとうとと微睡んで 数分後には意識を手放していた。

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