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第68話
さっき投稿された1分半の短い曲は
可愛らしいポップな感じだった。
nyaoとコラボしてからこんな感じの曲が増えた。
色々勉強してるのかもしれない。
蒼からLINEがくる。
投稿したあとで暇なのか。
スタンプの連打。
俺は眉をひそめる。
なんだ?本当に暇なのか?
蒼は大人びているように見えて
案外子供っぽいことをしてケラケラ笑っている。
そういう姿を見ると
とてもこんな曲を作って歌ってる子だなんて思えない。
想像のazuは神様に選ばれた特別な人間だったけど
実際は俺と何ら変わらない、普通の男の子だった。
歌わされるのが嫌いな、
自由に曲を作って
いつでもどこでも鼻歌を歌う男の子。
どんどん好きになる。
azuのこと、知れば知るほど好きになる。
声が好きだ。
俺の名前を呼ぶ声が好き。
「まーおーさんっ」
脳裏に蒼の声がする。
ハッとした。
蒼?
俺は今、azuのことを考えてなかったか。
いや、azuも蒼も一緒なんだけど。
一緒だけど、azuのことが好きだという気持ちを
蒼にも重ね合わせていいのか。
あの男の子を思い浮かべる時、
俺はどっちの顔を思い浮かべてるんだ?
俺が好きなのは、azu?蒼?
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