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第71話

何なんだよ、はこっちのセリフだ。 蒼の寝顔を見つめる。 昔から何も変わらない。 俺も、こいつも。 白くて柔らかそうな頬は触れたくなるし 細くて綺麗な指は舐めたくなるし すぐ赤くなる耳は食べたくなるし 少し開いたこの無防備な唇にはキスしたい。 俺は、お前のこと、友達だと思ったことねぇよ。 いつもいつも、犯したいって思ってる。 無理やり押さえつけて めちゃくちゃに抱きたい。 泣けばいい。 喘げばいい。 俺のものになればいい。 好きだ。 蒼の手に指をそっと乗せると、きゅっと握られた。 赤ちゃんかよ… ゾクリと腰が疼いて、ぱっと手を離す。 やっべ…勃った… 最近、ほんとに抑えが効かない。 思ってるだけだったことを 実際にしてしまいそうで怖い。 してしまいたい自分もいるのが、怖い。 俺だけ見てろよ。 何で知らない世界に一人で行こうとするんだよ。 弱いくせに。 寂しがり屋のくせに。 何で、俺の知らない男に懐くんだ。 「ん…」 ころりと寝返りを打った蒼の首元から鎖骨が見える。 変な虫が寄り付かないように。 俺は蒼の首元に顔を埋めた。 俺のだって印、付けといてやるよ。 ピクンっと蒼の身体が揺れた。

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