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ー友情ー

「そうなんですか〜?」 と和也の言葉に答えた後に、 「よし!これで、俺も仕事も方に復帰やな!」 と1人嬉しそうに気持ち大きい声で言っていた。 そんな言葉に望は、 「ああ、そうだな…まぁ、また、その体で人の命を守って…くれ…あ…」 最後まで望が言葉を言い切らないうちに和也の方は検査室に雄介の事を運んでいく準備が出来たのか、望の言葉を遮るように、 「では、レントゲン室に行きましょうか?」 そう言って、和也は雄介を押して病室からそそくさと出て行ってしまう。 そんな様子に望は呆れたようなため息が出たのかもしれない。 だって、いつも以上に行動が早い和也に、しかも、望が雄介に何か言おうとすると、その言葉を遮ってしまう。 そんなおかしな行動をしている和也に首を傾げながらグシャグシャになっていた布団を直すのだった。 「桜井雄介か…」 そうベッドの上の方にある名前のタグを見ながらボソリと口にする望。 「本当は…今、告白の返事しようと思ってたのに…」 と、望はそう口にし、軽く布団を直すと自分の部屋へと戻って行く。 部屋に戻ってからは、パソコンに向かうものの、こう何か気が乗らない様子の望。 ため息を漏らしては、ボッーとしていた。 「…ふぅー…そういや、アイツ…早ければ後2、3日で退院しちまうんだっけ?あ!そうだ!戻って来て…って、俺がそんな事、思っちゃいけねぇんだよな…。本当はもう二度とここには戻って来ちゃいけねぇ筈なのに…」 さっきから望はそんな事を口にしながらパソコンを開いているものの、全く集中出来ないでいる。 すると、突然、部屋のドアが開いて、誰かが入って来たらしく、望の机の上に何か置かれた。 「はい!アイツのレントゲン写真!」 「ん?あ、ああ…」 望は和也から雄介のレントゲン写真を受け取ると、そのレントゲン写真の映像を機械へと翳す。 「ん〜…まぁ、これなら大丈夫そうだよな…」 と1人納得する望。 「そっか…なら、良かったんじゃねぇのか?」 患者さんが治ったというの事は医者や看護師からすると本当は嬉しい事なんだろうが、今の望はどうやら違うようだ。 「ん?まぁ…そうなんだけどな…」 「なんか、その様子だと患者さんが退院出来るっていうのに嬉しくなさそうな感じだよな…」 「…そんな訳ねぇだろ…」 望はレントゲンの機械の電源を切ると再び席へと戻り、パソコン画面へと視線を移すのだった。 それから暫く望の方も外来や手術等で忙しすぎて、雄介との2人きりの時間等取れる訳もなく、時は過ぎて行く。 そして、望は雄介に告白の返事をしないまま雄介は完治すると退院当日となってしまっていた。 和也や望は雄介の事を玄関先まで見送り、今回、告白がなかったかのように雄介はタクシーへと乗り込み行ってっしまう。
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