21 / 2160
ー友情ー21
望の方も雄介を見送った後に部屋の方へと戻って来る。
そして部屋に戻って来ると大きなため息を吐くのだ。 何をするのではなくただただボッーとしている望。
その後に部屋へと入って来た和也。
「やっぱ、アイツが退院しちまったのがそんなに嫌だったのか?」
そんな事を言う和也は無神経というのか、そう嫌味を言いながら二人が使っている部屋へと入って来るのだ。 完全に二人きりになれたという事をいい事にここぞとばかり望へと近付いていっているようにも思える。
そして和也は望の肩へと腕を回すのだが、それは直ぐに望によって払い退けられてしまう。
「そんな訳ねぇだろ? ってか、何だお前! そろそろいい加減にしてくれねぇかな!?」
どうやら望は雄介に告白の返事が出来なくてイライラとしているのか、それともそんな風に望の事を逆撫でるかのように言ってくる和也にイライラとしているのか分からないのだが、そんな風に返すのだ。
「俺はただ単に……望に元気がないから声を掛けて上げてるだけなんだけどな。 ってさ、そんなに怒る必要はねぇんじゃねぇのか?」
「ってかさ、前から言おうと思ってたんだけどよ。 奴が絡むとなんか邪魔しに来てなかったか? だから、俺が……アイツに……告白……あ、いや……な、何でもねぇ……」
最終的に望は言葉を詰まらせると急に立ち上がって和也の事を睨み上げるだけになってしまっていた。
そんな望の行動に、和也の方はひと息吐くと、
「別に……俺は普通の事をしてただけだし、普通に仕事をしていただけだろ? そこに異常に反応していたのは望なんじゃねぇのか? それに、俺は本当に普通に仕事をこなしていただけだからな!」
こんな風にこの二人がここまで喧嘩になった事はない。
そんな二人の怒鳴り声が部屋内へと響き渡る。
そんな和也にもう返す言葉がなくなったのか望は大人しく椅子へと腰を下ろすと、完全に和也の事を無視し再びパソコンへと向かうのだ。 そして和也は捨て台詞のように望に向かって、
「アイツがいなくなったからって、俺に当たってんじゃねぇよ……!」
と言ってしまっていた。 望の方はその言葉を無視し、そこからの二人の関係というのは悪くなっていくだけだった。
それがきっかけで和也と望の関係は崩れてしまったのか、それともこの一件でこれ以上一緒に仕事が出来ないと思ったのか、そういった事は不明なのだが、望は不在の院長へと電話を掛け和也とのコンビ解消を告げるのだ。 あんなに仲が良かった二人の間に桜井の事でひびが入り口も聞けない位になってしまったのだから、そりゃあ仕事にも支障が出るだろう。
暫くの間、望は違う看護師さんと、和也の方も違う医者とコンビを組んで仕事をする事になってしまい二人は離れた生活を送っていた。
ともだちにシェアしよう!

