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ー友情ー33
和也は望の事を引っ張ってトイレの方へと向かうのだ。
「まぁ、俺は看護師だからさ……薬剤師に言えば、こういうのって楽々手に入るんだぜ。 しかも、コイツを扱うのもプロなんだから俺に任せてくれたらいいって事だしな」
望はその和也の言葉に顔を赤くしたままトイレに連れて行かれる。
トイレに行かされた後に望と和也は再び部屋へと戻って来ると望はそのまま和也にソファへと押し倒され、
「本当はこういうやり方はしたくなかったんだけどな……。 俺的には望にちゃんと告白して望と晴れて恋人同士になって、望の事を抱きたかったんだけど……まぁ、今回の事は仕方がなかったって所かな? 今の望はアイツしか頭にないようだし、だからさ、俺が望の事を考えるのは今日で最後にするよ」
和也はそう望の瞳を真剣な眼差しで見つめながらも、こうどこか悲しげな表情で望の事を見つめるのだ。
そして和也は望に向かって頭を下げた後に望の事を抱くのだった。
そんな和也に望は何も答える事なく。 ただただ無言のまま和也に抱かれる望。 そうそこまで言われてしまうと返す言葉がなくなってしまったというのが正解なのかもしれない。
今の和也の言葉で、十分に望にも和也が本気で望の事が好きだっていう事が伝わって来てしまったのであろう。
だから和也がすることに関して望は抵抗しなかったという事だ。
それから暫くして和也は望の事を抱けて満足したのか望から離れると溜まっていた仕事を始めるのだった。
望はそんな和也の後ろ姿に切なそうな瞳で見つめ続けるしか出来なかったようだ。
ここで和也と一緒に働いてきて和也が望の事を好きだという気持ちを初めて知った。
そう望は今の出来事で完全に悩んでしまっているように思える。 今まで親友だと思っていた友人に告白され、それにこの前会ったばかりの男性にも告白されているのだから、悩まない人間はいないだろう。
しかし今まで人生の中で一度に二人の男性に告白されるなんて今までなかった望。 いや、寧ろ同性の人間二人同時に告白って事は普通人生の中で殆どない事だ。
望は軽く息を吐くとふらふらとしながら立ち上がり、和也の隣にある自分のディスクへと座る。
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