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ー友情ー

「あのさ…望?この椅子に座っててくれないかな?ま、暫く横になっていても構わないんだけどさ…」 和也はそう言うと棚の中から注射器を取り出して来る。 「はい!腕出して…」 「別に俺は何処も悪くないんですけど…」 「ま、確かにな…。だけどさ、アイツがここに運ばれてきて、しかも、怪我して運ばれて来てるわけだし、未だにその治療は終わらない…。だから、心配して今集中出来ないって感じだろ?その精神状態のままで他の患者さんの命なんて守れるのか?それで、医療ミスに繋がっまったらそれこそ大変になるだろ?だからな…注射の一本位打っておいた方がいいんじゃねぇかな?って思ったんだよ…」 その和也の言葉に望の心を見透かされたようで望は和也に対して目を丸くしていたのだが、そんな望の事を心配してくれている和也に対して、 「…流石だな」 「まぁな…もう、数年、望と一緒いるのだから、望の気持ち分かっているつもりなんだけどな…。確かに桜井さんの事心配だろうけど、今、望がするべき事は他の患者さんの事を治療する事だろ?」 和也は望に向かい笑顔を見せると背中をポンっと叩く。 「ああ、そうだったな…」 こう和也という人物は望の事をよく見ているのか、心配しているのか、そこのところは分からないのだが、そんな和也の優しさに安心した様子で、 「………ありがとう」 と小さな声で照れ臭そうに口にする望。 そして、あまりにもの照れ臭さに望の方はパソコンの方へと視線を向けてしまっていた。 そのあまりにも小さな声を聞き取った和也はクスッと笑うと午後からの準備の方に取り掛かるのだった。 しばらくして、午後からの診察を終えると、 「ここの片付けとかって俺がやっといてやるから、お前は桜井さんの所に行って来いよ!」 「ああ、うん…。じゃあ、後は宜しく!様子だけ見てきたら直ぐに戻って来るからさ…」 和也は診察室を出て行く望の後ろ姿に軽く手を振ると、片付けを始める。 そして、望の方は診察室を出て行くと外科病棟の方へと向かうのだった。 ナースステーションで雄介の病室を聞くと、雄介の病室の方に向かう。 だが、そこには何故か人溜まりが出来ていた。 望はそれを不思議に思いながら覗いていたのだが、人混みを掻き分けて中心部の方へと向かう。

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