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ー友情ー41
望はその話の輪の中心部の方へと向かうと話をしていたのは雄介の事を治療していた医師と何故か刑事の姿があった。
「何があったんだ?」
と望はその新人医師に声を掛けると、
「あ! 吉良先生、実はですね……今ここに来ているのは警察の方でして、今回の事件について被害者に聞きたい事があるそうなんですよ。 でも、患者さんは未だに意識の方は回復してませんし、まだまだ話せる状況ではないので今日の所は話する事が出来ませんよ。 と申し上げているのですが……」
その新人医師は望の白衣の裾を引っ張って引き寄せるように望の耳側で話をしてくる。
「ああ、分かった……まぁ、俺が刑事さんにはそう言っておくからさ」
「ありがとうございます」
望は警察の方に体を向けると患者さんの方はまだ回復していない事を話し、明日以降来てくれと話すと警察の方はその場をやっと去って行ってくれたようだ。
「とりあえず、明日また来るってさーって、言ってたぜ。 って、事でさ、この患者さんは俺の知り合いだから中に入ってもいいだろ?」
「はい、吉良先生なら構いませんよ」
その新人医師に承諾を得ると望はやっと事で雄介に会える事が出来たようだ。
「あのさ……一つ聞きたい事があるんだけど……。 この患者さんが腹部に怪我してきた理由聞いたか?」
未だに生命維持装置が付けられている雄介の側に行くと、その辺にあった椅子を持って来て望はそこへと座わりさりげなく雄介の体のへと触れるのだ。
「それはさっきの刑事さん達が言っていましたよ」
「それで……? って……あ! そうか! 刑事さんが来ていたって事は桜井さんは何かこう事件に巻き込まれたって事なのか!?」
そう雄介担当の医者の言葉に一人納得すると、顔だけをその新人の医者の方へと向け、
「で、どうしたんだ?」
「あ! 刑事さんの話だと桜井さんと被疑者は今日は休みだったらしく、二人でその被疑者の家で話をしていたらしいのですよ。 で、ある話からその被疑者の方は自殺しようとして包丁を持ち出して、それを止めようとした桜井さんの腹部辺りにどうやら間違って刺さってしまったらしいのです」
「え? あ、そうだったのか……そうか……桜井さんはこの話のけりを付けに行ったって事になるのか……」
最初の方はその新人医師の言葉に納得していたようなのだが、そう最後の方は一人呟くように言うのだ。
その望の言葉に新人医師の方はきっと頭ににハテナマークを浮かばせているのかもしれない。 現に首を傾げてしまっているのだから。
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