84 / 2160
ー記憶ー28
雄介の部屋は1Kだったのだが、そんなに荷物とかが無いのか広く感じる。 きっと部屋にはベッドとテレビとちょっとしたテーブル位しかないからだ。
雄介は和也をテーブルへと案内すると冷蔵庫の中から缶ビールを出してくる。
「ビールでええか?」
「今は酒はいらねぇよ……俺、車だしさ」
「ああ、そっか……。 なら、麦茶でええ?」
そう言うと雄介は自分には缶ビールを持って来て和也には麦茶を用意しテーブルへと運んで来る。
雄介はテーブルへと座ると缶ビールのプルタブを開けて一口口にし、
「ほんで、話ってなんや?」
「あ、ああ……そうだったな。 な、お前さ、この前、望と喧嘩しただろ?」
「え? あ、ああ……あれは喧嘩ではないやろ? ただ単に望が俺の事嫌いになったって訳で別に喧嘩って訳やないやろなぁ? それで、俺の方はただ単にそう思うたから帰って来たっていうだけやし」
「じゃあ、どうして、お前は望が自分の事嫌いになったって思ったんだ?」
そう和也は雄介の事を真剣な瞳で見つめる。
「そりゃ、あん時、望の事を抱き締めたのに、望は俺の事を拒否したからに決まってるやろっ!」
雄介はその片手に持っていたビール缶をバンッと机に叩きつけるように置くと何故か和也の事を睨みつけてしまっていた。
だが和也はそんな雄介の態度に動じる事なく、
「そうか……たったそれだけの理由だったんだな」
そう和也の方はその雄介の言葉に何故か余裕そうな笑みを浮かべ、クスクスとしているだけだ。
ともだちにシェアしよう!

