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ー記憶ー29
「『たったそれだけー』ってなんやねんなぁ? お前なぁ、誰とも付き合った事がないから、そないな事言えるんやろうけど……そりゃ、恋人に拒否されたら誰だって嫌われたと思うのが普通やろ?」
「へぇー、雄介はそう思っちゃったんだ。 ってか、俺はそうは思わねぇけどな……ってかさ、望からその拒否された理由聞いたのか?」
その和也の言葉に雄介は呑んでいたビールの動きを止める。
「……え? へ? 何!? それって、どういう事なん……?」
雄介はその和也の言葉に答えを求めようとしていたのだが、和也の方は首を傾げるだけで留めるのだ。
「さぁな……」
雄介はその和也の言葉に何か言い返す言葉が見つからなかったのか言葉を詰まらせるのだが、それと同時に和也の方は話の方を進めるのだった。
「それと、昨日、望からの電話も無視しただろ? その電話だって望は悩みに悩んで雄介に電話したんだぞ! それなのに、お前は完全に無視してたみてぇだけどな。 その携帯に残ってる望からの留守番電話のメッセージだって、どれだけ悩んで望はお前に言葉を残したかっていうの分かってるのか!? ま、お前はさ、望と付き合ってそんなに長くないから望の事分かってねぇのかもしれねぇけど、アイツ、俺に何度もお前の事で相談してきてるんだぞ。 もし、望は本気でお前の事を想ってねぇんなら俺に雄介の事について相談してくると思うか? その事を考えてみろよ、そしたら、自ずと答えが出てくんだろうが!」
「……って、事は……望は……俺に本気やって事なんか?」
「だろ? 嫌いだと思う奴に電話すると思うか? ま、少なくとも嫌いになった奴の所には電話さえもしなくなるだろうけどな……それに相談なんかもしてこねぇと思うぜ」
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