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ー記憶ー30

「ほな、あん時、望が俺ん事……拒否した理由って言うんは?」 「それはさっき言っただろ? それは本人から直接聞いた方がいいと思うぜ」 「でもな……今更……出来る訳ないって……言うんか?」 「望にそこは聞きにくいのか? そこはしょうがねぇんじゃねぇの? お前が望が電話して来た時に無視してなきゃこんな事にはならなかったんだろ? 自業自得じゃん……。 お前もさ、望みたく一回悩んだ方がいいんじゃねぇの? それに、もし、もう、お前が望の事想ってないのなら、俺は望の事奪いに行くからなっ!」 「それは絶対にアカン!」  その和也の言葉に雄介は再び和也の事を睨み付ける。  だが和也の方はそんな雄介に動じる事なく、 「なら、ちゃんと望と話しろよ。 俺に望の事を取られたくなかったらな!」  和也はそこで立ち上がると同時に和也も雄介の事を睨むのだ。 「あぁ! 分かったわぁ! 俺が望に電話して今回の事を話合えばええんやな! ほんで、もう、お前に望が向かんようにすればええって事やんなっ!」  雄介の言葉に和也の方は余裕があるのか鼻先で笑うと、 「じゃあ、後はお前に望の事は任せたぜ」 「……へ?」  和也の言葉に対して雄介は間の抜けたような声を上げると、和也は雄介へと笑顔を向け玄関へと向かう。 きっと和也からしてみたら今までのは演技みたいな感じだったのであろう。 現に雄介に向かって軽くではあるのだが、笑顔を見せているのだから。  そして最後に雄介に向かって、 「絶対にメールなんかで済ませようと思うんじゃねぇぜ! 最低でも電話で話し合えよ! じゃなきゃ、望に気持ちを伝える事なんか出来ねぇからな!」  和也は望にも言った同じ事を雄介にも言うと立ち上がるのだ。

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