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ー記憶ー42

「ん……だから……いいって……」  望はそう言うもののこうやって人にやってもらう事が気持ちよかったのか、そのまま何も言わずに雄介にされるがままでいた。 「こん位しっかり拭いてぇな」 「あ、ああ……ありがとう」  今また新たに雄介に関して新しい発見が出来たような気がする。  どうやら雄介は世話好きのようだ。 「ほな、飯が冷めないうちに食おうや」 「ああ、そうだな。 いただきます」  なんてありきたりな事を言ったのも久しぶりのような気がする。  こうして誰かと食べる事も手料理を食べる事も本当に久しぶりの望。 こう誰かと一緒に食事をするというのは一人食べている時よりも明るくて温かさえも感じられる。  食事の時には雄介が中心になって話をしてくれた。 望の方は特に仕事上面白い話というのはないのだが、雄介の場合にはこう同僚と話した事を面白おかしく話をしてくれて本当に雄介といる時間が楽しく思えてくる。  望は雄介が話している事に対して笑っていた。  あまり人前では笑わない望。 だが雄介の前ではこんなにも笑えるなんて思ってなかった事なのかもしれない。  そして今日はもう一つ雄介の事で発見が出来た。  雄介は話上手だという事だ。  そう雄介が退院してから、こうゆっくりとした時の中で会話を出来たのは初めてなのだから気付けた事なんだろう。  そう病院内では雄介の方だって大人しくしていなければならないのだから気持ち的には静かにしていたのだろうが、今は完全に二人だけの世界なのだからそこについては遠慮なんかいらないという所だからだろう。 望の方だって雄介が病院に入院している間というのは仕事中なのだから、勿論雄介とゆっくり喋る事なんか出来ずにいたのだから本当に今日まともに雄介と会話をする事が出来たのかもしれない。

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