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ー記憶ー85
「ん? あ……大丈夫だ。 ちょっと頭がクラクラするだけだしな」
本当に望は体が辛くなってきていたのかベンチに座ってからも荒い呼吸を繰り返している状態でもある。
「ちょ、水分買ってくるし、待っておって……」
そう言うと雄介はこの辺りに自動販売機はないかとキョロキョロと辺りを見渡す。 すると大きな道路を挟んだ反対側に自動販売機を見つけるのだ。
雄介は望をベンチに居させると丁度、青信号になった横断歩道を渡り自動販売機がある場所へと向かう。
雄介はお金を入れてスポーツドリンクを購入すると、また元来た道を戻ろうとしたのだが、今さっきいたベンチ辺りに何故か人だかりが出来ているようにも思える。
どう見てもあそこはさっき望と座ったベンチで、何故そこに人だかりが出来ているのかが分からない。
「……へ? 何!? 何が起こってるん?」
首を上げて状況を把握しようとするのだが、雄介の身長であってもその様子が見えないのが現状だ。
とりあえずこの横断歩道を渡らなければ今望がいる場所には向かう事が出来ない。
急にその光景を見て雄介の頭の中で何かこう警報器が鳴り始めているような気がするのは気のせいであろうか。
そうだきっと雄介なりの第六感が働いているのかもしれない。
未だに変わらない信号。 その間にも雄介の心臓の鼓動が最高潮に高鳴っているのかもしれない。 ここは車が行き交う大通りでなかなか信号が変わってくれないようだ。
たったこの大通りを挟んだ向こう側では一体何が起きているというのであろうか。
車や人々がいて、本当に全くもって状況が掴めないままでいる雄介にとってはパニック状態という事だろう。
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