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ー記憶ー96

『俺な、今、考えておったんやけど……。 例え、望に記憶がなくとも毎日のように望の所行くし。 もし、それで、俺の事思い出してくれるんやったら、嬉しいしな』 『ああ、待ってるから……って俺が言うのも変なんだけどさ。 まぁ、望と会いたい時間が欲しいんなら、俺が何とかするしさ』 『おっ! それやったら、サンキューな!』  そう言ってくれると病院関係者が居て助かる部分もある。  休みの日には面会時間に行って休みじゃない日は行けない。 それはそれで仕方がない所だ。 自分にも仕事があるのだから。  丸一日の仕事を終えて雄介は面会時間になると望の所へと向かう。  すると望の病室には誰も入れないようにしてあるようで『面会謝絶』という看板が掲げてあった。  ある意味、今回の望は他の患者さんには迷惑を掛けないようにしているという事だろう。  雄介は昨日和也に言われた通りに、その看板関係無しに望の病室へと入って行く。  雄介が病室へと入ると今日は和也の方も休みらしくそこには和也の姿があった。 「よっ! 望は平気なんか?」 「ああ、まぁな……今は寝てるけどさ」 「そうだったんか……」  そう言いながら雄介は和也に渡された椅子へと腰を下ろす。 「望の事見てると、こう全然記憶喪失って感じがしない気がするんだよな」

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