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ー記憶ー98

 そして今日もまた雄介は誰もいない家へと帰宅する。  そう明後日はまた面会時間から面会終了の時間まで居られるのだから今はそれだけでも十分ということだろう。  和也が言うには日常会話には問題がないと言っていたのだから先ずは友達として近付いた方がいいのかもしれない。  それに無理に記憶を戻そうとすると逆に記憶が戻らないとも言っていたのだから今はとりあえず自分達は恋人というのは隠しておいた方がいいという事だろう。  そうだ望の記憶さえ戻ってくれれば今はいいのだから。 「まぁ、今は少し寂しい気もすんねんけど、望が死んでまうよりかは生きておるんやし、それはそれで十分やしな」  そう前向きに考えると、いつものように帰宅してきて料理を始める。  料理を食べながらテレビ番組を見ているのだが、やはり何だか物足りない感じがするのは気のせいであろうか。  もう独り暮らしをして長い筈なのに今はこんなにも寂しく感じるのは雄介の隣りに望がいないからなのかもしれない。

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