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ー天災ー79

 それなら雄介が居るだけの間だけでも幸せな時間を過ごしてはいけないのであろうか。  そうだ望がたった一言を雄介に言えば、もしかしたら恋人との甘い時間をもう少しだけ過ごせるのかもしれない。 「な……」  そう雄介に声を掛けてみるものの、やはりその後の言葉が続かない望。  望は大きく深呼吸をしそのままベッドへと顔を埋めてしまうのだ。  そして勇気を出して言った言葉は、 「あのさ……もう少しだけ……もう少しだけ……この時間を過ごさないか?」  こんな言葉、本来なら顔から火が出る位恥ずかしい言葉だ。 だけどこの一言で雄介の事を止められればと思い言ってみた。  果たして雄介はその望の言葉で思いが伝わってくれただろうか。 「望……? 気持ちはよう分かんねんけどな……もう、これ以上は……そのな……俺とお前が一緒におったら、我慢出来へんような気がして……それでもええんやったら……」  雄介だって今のこの誰もいない状況なら望の事を抱きたい気持ちは十分にある。 だが今はそんな事をしてる場合じゃないって事も十分承知している。 だから雄介はどうにかして耐えようとしたいた。  そこまで雄介に言われると望の方ももう言葉は出てこないようで黙ってしまっている。 だって雄介の方は今はそんな時ではないと分かっているのだから。 そんな事、望だって十分承知している事なのだが、それでも今は二人きりであって雄介がいない間、二人だけの時間さえなかったのだから甘える事さえも我慢してきたのだから、そこはいいんじゃないかと思ったから思い切って言ってみたのだから。  とりあえず二択だ。  ここは今日という日を雄介と大事に使うのか。 ここは雄介と同意見でもう二人だけの時間を諦めて病院の方に戻るかをだ。

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