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ー天災ー80

 望はベッドの上でうつ伏せのまま暫く考える。  確かに恋人とは久しぶりの再会なのだから今は恋人には思いっきり甘えたい気分だ。 だけど世の中がこんな状態で本当に大変だっていう時に甘えてはいけない事だっていう事も十分に分かっている。 やはりこの世の中が本当に落ち着くまで恋人達は我慢していなきゃならないのであろうか。  暫く色々考えた後どうやら望は考えをまとめたらしく、 「雄介……それでもいい……だから、今は……そのさ……甘えさせてくれねぇかな? それでもダメって言うのなら、もういいし……」  こんな素直な事いつもの望なら言わないだろう。 だがやはり少し完全に離れてしまったという事で少し気持ちが変わったのかもしれない。 そう雄介がいなくなって恋人がいない寂しさがやっと分かったのであろう。 だからこそ、こう素直な気持ちを言葉にする事が出来たのかもしれない。 普段の望ならこんな言葉恥ずかしくて言えやしないのだから。 それだってこうさっきみたいな台詞は体の中から熱くなる程恥ずかしい言葉だ。 「そっか……望が俺ん事、そこまで想ってくれていた事がホンマに嬉しいわぁ。 ほなら、ホンマに望の望み通りにしてええんやな?」  雄介はもう一度、望の側へと向かうと望の体を抱き締める。 「……望」  そして優しく望の名前を呼ぶと体を仰向けへとさせ、そして望の頰にキスを落とし唇にも唇を重ねるのだ。 「とりあえず、こんなんでええか?」  そう雄介は望に振るのだが、まだ望の方は満足はしてないようで望は黙ったまま頭だけを振っていた。  その望の反応に雄介はひと息吐くと、 「望がそういう気なら」  今度はしっかりと望の頭を両手で支え軽く望の唇に唇を重ねると舌を口内へと忍ばせ舌を絡ませる。 「ん……ふぅ……」  こう望の甘ったるい声を聞くのは本当にどれくらい振りだったのであろうか。

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