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ー天災ー90

「ん? 和也? 望ん事起こさんくてええのか?」 「もう、知らねぇよ!」  どうやら和也がいくら起こしても望の方は起きて来てくれないらしく和也の方は気持ち的に怒っているようにも思える。 「せやけど、起こさんとアカンのやろ?」 「いいんじゃねぇ? 怒られるのは望なんだし……」 「ほな俺が起こしてくるな……」 「ああ」  そう言って望の元に向かった雄介。  もし雄介に望の事起こせたならば、こう悔しい感じがするのは気のせいだろうか。 その雄介の後ろ姿を視線で追ってしまう和也。 「望ー?」  最初は優しい声で起こす雄介なのだが、やはり起きようとはしない愛しの恋人。  雄介は仕方なさそうな息を吐くと、 「こうなったら、最終手段しかあらへんな?」 そう望の耳元で囁くと、 「望……朝やで……早よ起きないと遅刻してまうし」  そう甘い声で望の事を起こすのだが僅かに反応はするものの望が起きてくる気配はなかった。 「まーだ……起きないんかいな。 しゃーないな……もう一個の手段で……」  雄介は横向きで寝ている望の体を仰向けにさせると、 「お姫様は王子様のキスで目を覚ますっていうのが定番なんやで……」  そう望の唇に近付こうとした時に望は目を覚ましたのか雄介と視線が合ってしまったようだ。 「お前なぁ、朝から何をする気だったんだ?」  そう言いながら望は雄介の事を避け体を起こそうとしたのだが突然雄介の腕に抱き締められる。 「……雄介?」

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