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ー天災ー115

 そして連れて来られたのはICU室だった。  和也はICU室の外にある窓からICU室内を指差し、ついでに白衣を着るようにと望に促す。 「ゆ、雄介がさ……人命救助中に怪我して、今はICU室にいるんだよっ! ほら、あそこ!」 「……へ?」  やっと話が見えて来たと思いながらも白衣を着終える望。  そして和也が指差す方へと視線を向けるとそこには雄介の姿がなかった。 だがその指差した方向にいるのは身体中包帯を巻かれていた人物だ。  まさか、まさか、まさか!? 本当にあの包帯でグルグル巻きにされている人物が和也の言うように雄介なのであろうか? でも確かに体型とか身長とはそうなのかもしれない。 「……って本当にあれが雄介なのか!?」  そう確かめるように聞く望。 「だから、そうなんだって! 確かにここからは雄介だっていうのは分からないのかもしれねぇけどさ。 とりあえず、今は……ま、状態は安定してるのかな?」  そう和也は視線を反らしながら言う。  そんな和也に望が気付かない訳がない。 「もしかして……雄介は?」 「と、とりあえずさ……大丈夫なんだって! って雄介を担当していた医者が言ってたぜ! そうそう! あのな……人命救助してる時に、雄介は崩れて来たブロックの下敷きになったらしいんだ。 ま、そこは直ぐに雄介は救助されてここにいる訳なんだけど。 兎に角! 医者の話によるとさ、雄介は命には別状ないって言ってたし」  そう視線を彷徨い続けながら言葉を続ける和也。 「でもっ! とりあえず、意識はまだ戻ってはきてないかな?」  そうやはり誤魔化すように言うような和也に疑問を抱きながらも、まぁ、和也の情報によると雄介は大丈夫だという事なのであろう。

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