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ー天災ー116
そう和也が最後まで何かを言わないうちに望はICU室用の服を着て中へと入って雄介の元へと急ぐのだった。
そうださっき自分が思っていた事が今現実になってしまったという事なのであろう。
そう望はさっき雄介が怪我でもして入院してくれれば暫く一緒に居られるという事だ。
だが確かにそうは思っていても実際に起きてしまうとショックの方が大きいのかもしれない。
それに雄介の状態は望が診た訳ではない。 だがあれだけ体中に包帯をグルグル巻きの状態でいるのだから重体には間違いない。
そして雄介の元へと来るとベッドの所にある名札にも桜井雄介と書かれていた。
そこに息を漏らす望。
やはりそこは現実だ。 和也から聞いた時には半信半疑だったのだが、名前を見てやっと雄介が怪我をしてここにいるんだという事が分かる。 顔までも包帯でグルグルの状態だ。
何がどうしてこうなってしまったのかもわからない状態。 自分が治療にあたっていれば雄介の状態が分かったのに、今日ゆっくりしていなかったら自分が雄介の治療をしていたのにと後悔してももう遅い。
そして望は雄介の手を握る。 それと同時位に和也が雄介の元へと来ていた。
「多分、雄介なら大丈夫だろ? ほら、今までだってちゃんと復活して来たじゃねぇか」
そう笑顔で言いながら和也は望の背中をポンッと優しく叩くのだった。
「ああ、まぁ……」
そう望は一言返すと雄介の手を握る。
それとほぼ同時位だっただろうか。 ICU室には嫌な音が響き渡ったのだ。
その音はどこから発信されているのであろうか。 望は必死になってその音の元を探す。 だが見渡してみてもその発信源はどうやら雄介以外の患者さんではないようだ。
……まさか!? この発信源は雄介?
望は雄介のモニターをチェックする。
きっと今の望の心臓の鼓動は最高潮に高鳴っているって事だろう。
視線を完全にモニターの方へと向けるとモニター画面の中央でラインが一定時間流れてしまっているのが視界に入って来るのだ。
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