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ー天災ー153

 そして次の日。  望や和也そして裕実までも屋上にあるヘリポートに来て雄介を見送る為に来ていた。 その中には望の父親でもある裕二も来ている。  今のこの季節。 梅雨の時期だというのに空は見事に晴れ渡っている雲ひとつない青空だ。  ある意味ヘリコプターに乗るには絶好の日なのであろう。  あの震災から数週間。  数週間前に雄介がこのヘリポートに降り立った時の事を思い出す。  あの日、雄介がヘリコプターから降りて来て望はその瞬間、雄介の頰を叩いてしまった場所だ。  この数週間は話し合いをしながらではあったものの一緒にいる時よりも何だか距離が縮まったような気がするのは気のせいであろうか?  本当にこの数週間、望と雄介との間に何かがあったって訳ではないのだが楽しくて嬉しくて幸せだった日々も、ここで一旦終わりになる。 だがそれは別れではなく離れてしまうという事なだけだ。  今はこの空のようにこ二人の心はどこまでも繋がっているのかもしれない。  そしてこの空のように心の方も晴れ渡っているのであろう。  やがてヘリコプターのエンジンが掛けられる。  それと同時に雄介は一旦はヘリコプターの方に足を向けたものの望の方へと走り出して来て望の手を握る。 「な……目閉じて……」  そう甘く優しい雄介の声に望は大人しく瞳を閉じる望。  そうすると次の瞬間には唇に温もりと甘さを感じたようだ。  当然、雄介にキスをされたという事は分かっている。 もう望だって大人なんだから「瞳を閉じて……」って言われた瞬間にはそりゃ、キスだという事は分かっている。 しかし一応みんなの前なのにも関わらず望がその受け入れを断らなかった理由は誰にも分からない。

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