432 / 2160
ー空間ー97
そんな望の嬉しそうな声に和也の方も微笑ましく思う。
確かに望は「学会、学会」とは言っているものの、そんな事はきっと二の次できっと雄介に会える事の方が上なんであろう。 そんな事は今までの望の姿を見ていれば分かっている。 そんな望は本当に雄介の事が好きな事だって十分に見て取れるのだから。
こうして見ると、やはり望は雄介の事が本当に好きなんだっていう事が分かったような気がした。
だって望は和也の前ではそんなに雄介の事については語らないものの、なんていうのかオーラみたいなのが、もう雄介好きですっていうのが出てしまっている。
望はまったくもって同性には興味はなかったんだと思う。 いや女性の気配すら今までなかったのだが。
そういや確かに和也と望がコンビを組むようになってから望には女性の気配がまったくもってなかったようにも思える。 だがそれ以前だってどうだったのであろうか。
その事だって和也は知らない。
望に今まで女性とさえ付き合った事があったのであろうか。
だがいきなり男性の恋人が出来て、それで今は今でそれを楽しんでいるようにも思える。 確かに今の望は雄介のお陰でイキイキとしているからだ。
「あ! そうだ! な、なぁー、望さぁ、土曜日の日、大阪に行くまでの時間、暇なんだろ? 空けておいてっていうのか、俺が空港まで送ってってやるから、その間、空けておいて欲しいんだけど……ほらほら、一緒にプライベートを楽しまないか? って事なんだけどさ……ほら、たまには息抜きも必要だろ?」
「……へ? 土曜日はせっかく和也の方は休みなんだし、本宮さんとデートでもすりゃあいいんじゃないのか?」
「え? あー、まぁ、そこはいいんだけどさ。 とりあえず、俺達の場合には仕事終わってから自由な時間があるんだし、いつでも会えるんだからさ。 とりあえず、決定でいいか?」
「あ、うん……まぁ……和也がそこまで言うんだったら、俺的には別に構わないんだけどさ」
「んじゃあ! 決まりな!」
そう和也の方は何か企んでいるのか顔をニヤつかせていた。
暫くして和也の方も掃除を終わらせると望の方も学会の資料の方も終えたのか二人はほぼ同時に声を上げるのだ。
「終わった!」
とその二人で声がハモり二人は同時に笑みをこぼす。
一つは仕事が終わったという事に、もう一つはハモったという事だ。
「和也、ここんところ、お前に掃除任せて悪かったな」
ともだちにシェアしよう!

