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ー空間ー145

 周りが話す声と時折、食器がぶつかる音位しか今は聴こえて来ない望達の席。  雄介と和也が話す事がなくなると静かになってしまうのであろう。 それとも食事中というのは静かにするタイプなのかは分からないのだが食事中は静かな感じになってしまっていた。  そして、そのまま食事を終わらせる四人。  すると逆に丁度いい時間だったのか今度は和也が会計を済ませてこの店を出る。  そして店を出ても本格的に搭乗口へと向かわなければならなかったのか望と雄介は搭乗券を出すと二人共見事に同じ飛行機だったという事に気付くのだ。 「あれ? お前も飛行機に乗るのか?」 「あ、ああ……まぁ、和也には望の事、メールで教えてもらってたしな……ここで俺の方も飛行機でUターンやなぁ」  望は、その雄介の言葉に「ふーん」とだけ答えると、きっと内心では相当喜んでいるのかもしれない。 だって、まだ暫くの間雄介と居られるのだから。  望と雄介は搭乗券を機械へと通すと雄介は和也へと手を振る。  そして二人は飛行機内へと向かうのだ。  和也と裕実は雄介達を見送った直後、先程、裕実にぶつかってきた人物が数人の男性達と望達が乗って行った飛行機の方へと向かってく姿を見掛ける。  ただ和也の視界に入ったというだけで、和也は直ぐに裕実の方へと視線向け、 「なぁ……裕実ー、俺等はもっ回ホテルに行かないか?」  そう和也は歩きながら裕実に向かって頭を下げてまで言っていた。 「ちょ、え? あ、あー、か、和也さん……?」  和也の言葉に顔を赤くし言葉を詰まらせている裕実。  こうも毎回のように言われると和也は本当に裕実の事が好きなんだというのは裕実には十分に伝わってきているのであろうが流石にこう毎回だと「うん」と言っていいのか? というのは迷う。 だが、「いいえ」とも言いづらい。  裕実的には全然いいのだが、きっと、その行為に依存してしまうって事が怖いからとも思ったのであろう。  今は和也からホテルに行きたいと言ってもらっているのだからいいのかもしれないのだが、もし裕実がその行為に依存してしまい和也無しでは生きられなくなってしまった場合にはこれから先、裕実が困る事になるのかもしれないからだ。 「和也さん……お誘い本当に嬉しいのですが、また、今度にしませんか?」 「……へ? あ、まぁ……お前が断るんなら、俺は無理強いはしねぇよ」  そう和也はあっさりと引くと、その後は黙ったまま駐車場へと向かうのだ。  さっきまで明るかった和也が裕実が断ってしまったせいで気持ち大人しくなってしまったようにも思える。  もし和也のさっきの言葉に裕実が「構わないですよ」と返事をしていたら今のこの状況は明るくなっていたのであろう。 そうだ和也の事だから笑顔で楽しい会話をしていたのかもしれないのだから。

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