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ー空間ー146
いつも一方的に話をしてくる和也なのだが言葉さえなくなると裕実の方はもしかしたら今寂しい気持ちなのであろう。
和也は裕実に対してもだが甘くて優しい人間だ。 そう特に裕実が嫌と言った言葉に関しては無理強いはして来ない。
駐車場へと来て車へと乗り込むのだがナビだけが言葉を発しているだけで後は何も聴こえて来ない。
多分、裕実が和也に「ホテルに行こう!」と誘えば、きっと和也は笑顔で話してくれるのかもしれない。
だが裕実の中では未だにその事について迷っているようだ。
ただ裕実の場合にはそこに行きたくない訳ではない。 その和也との行為に依存してしまわないか? という心配事だった。 ただ、それを和也に伝えればいいだけの事。
そうだ自分から和也に話さなければ自分の思いは和也には伝わらない。 このままならきっと和也の方は誤解したままだ。
裕実は色々と考えた後に顔を上げてその事を伝える為に和也の横顔を見つめる。
「か、和也さん……」
そう裕実が言うと和也は運転しながら、
「ん? 何?」
と答える。
「和也さん……あの……ですね……さっき、和也さんがホテルに行きたいって言ってたじゃないですか? 今まで僕の中で考えていたのですが別に僕的には和也さんが行きたいんなら、また、行っても構わないですよ。 ですが、僕がですね……その……和也さんとの行為に依存してしまって、僕から和也さんを求めるようになってしまったら、と思うと……その……ただたんにハッキリと頷く事が出来なかっただけですから……ほら、もし、僕達が別れてしまった時……その……僕がどうしたらいいのか? っていうのが分からなくなってしまっただけですからね」
その言葉に対して和也の方はクスリとする。
「ちょ、そこっ! 和也さんっ! 笑う所じゃないですからっ! 僕的には超が付く程の真面目な話しているんですからねっ!」
「悪ぃ……いやぁさぁ、案外、俺って裕実に愛されてるんだなぁって思ってさ。 そしたら、余計にお前が可愛く思えてきたっていうのかな? それにそんな事で悩むなよ……俺もお前の事が本当に好きなんだからさ……それに、今のところはお前の事、離すつもりなんかねぇしな……できるなら一生居たいと思ってるしさ……」
そう和也は笑顔で言うと裕実の頭をポンポンという風に撫でるのだ。
「それに先の事なんかさ……どうにもなれっ! って感じじゃねぇのか? 今を楽しむ方がよっぽどいいと思うぜ。 俺は今が一番楽しいからさ……今を生きるっていう人間だしな。 あまり先の事は考えないようにしてるしな。 これから先の事なんかどうなるか!? っていうのは誰にも分からない事だろ?」
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