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ー空間ー156

 雄介はチラリと望がいる方へと視線を向けると望の方も後ろ手に手首を縛られている姿が目に入ってくる。 しかも、ずっと犯人の一人に囚われてから望の体勢は変わっていない。  雄介は望の事ばかり助けようと考えていたのだが、さっきの白井の話によると犯人の方はもう二人いると言ってなかったのではないだろうか? しかも、その犯人達は操縦席の方に向かったとも。  この飛行機を乗っ取って一体犯人達は何をしたいのであろうかが分からない。 そして、もう一つ雄介が知りたい情報というのは操縦士と副操縦士の安否もだ。  操縦席というのは扉の向こう側にある。 その扉からでは操縦席の方は確認出来ない。 寧ろ、その扉を開けなければ操縦席の方が確認する事が出来ないと言った方がいいのかもしれない。  もしかしたら、もう雄介の中では望だけではなく乗客全員が助かる方法を考えているのであろう。 だって、あんな言い訳をする位なのだから白井は絶対的に乗客全員を助ける気はないと考えた方がいいのかもしれない。 多分、飛行機はこの犯人達の犯行によって乗っ取られているかもしれないのだから自分達だって助かる可能性だってない。  そして何十分を過ぎた位だろうか。 やっと雄介に縛ってあった紐が白井の手によって解かれた。  だが雄介の方はまだ後ろ手にしておく事にする。 今度またいつ犯人が見回りに来るか分からないからだ。 その時に犯人にその事が気付かれたら、また犯人に縛られてしまうのは間違いないだろう。 なら犯人達に紐を解かれたのを見せておかない方がいいのかもしれない。  とりあえず警察である白井と作戦を立てる事にした雄介。 やはり、そこは一般人とは違い何か知識はあるのかもしれないと思ったのであろう。  雄介は望を優先に助けたいとは思っているのだが望の隣には犯人の一人がいる。 真正面から望を助けようとしても直ぐに犯人の手によって望の事を押さえられてしまうのは間違いない。  とその時、急に機内が大きく左右へと揺れ動く。 不意打ちだった為か乗客の方も体が左右へと揺らされ、みんながみんなバランスを崩し隣にいる乗客や通路側の人間はそこに投げ出される乗客もいた位の大きな揺れ方だったのは間違いない。

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