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ー空間ー157
勿論、雄介の方も体を揺らされバランスは崩し隣にいた白井の方へともたれ掛かっていた。 その視線の向こうに見えた望。 フッと気付くと望の体は通路側へと投げ出されている。 これはチャンスと思った雄介はすぐに体勢を立て直すと望の手を掴んで立ち上がらせ雄介は自分の方へと望の事を引き寄せる。
「望……大丈夫やったか?」
「あ、ああ……まぁな……」
「とりあえず、お前は白井さんの隣に座っておってな……後はもう俺が何とかするし」
雄介はそう言うと今まで自分が座っていた所に望の事を座らせるのだ。
とりあえず雄介は望の事を助けられたという事に安堵すると行動を開始する。
今の揺れでダメージを受けたのは乗客だけではない。 当然、望の隣にいた犯人の一人もダメージを受けている。 しかも窓際にいたからなのか、その窓に頭を打ち付けていたらしく頭を押さえていた。
だが、もう一人フロア内にいる筈の犯人の姿は見当たらなかった。
とりあえず雄介は望の隣にいた犯人を取り押さえ今まで自分に縛ってあった紐でその犯人の一人を後ろ手に縛り上げる。 そして犯人が持っていたガラス製のナイフを取ると望に縛ってあった紐をそれで切るのだ。
雄介は望に縛ってあった紐を手にすると、もう一人このフロア内にいると思われる犯人の事を探し始める。
すると前の方で倒れている姿が目に入った。
多分、今の飛行機の揺れでフロア内を見回っていた犯人の方は座っていた人間よりもダメージが大きかったのであろう。 きっとバランスを崩し、倒れ、その場で気を失っている姿が目に入る。
「ま、このままやったら、この犯人も暫く立つ事さえ無理やろうが、さっきみたく、直ぐに復活されたらたまったもんじゃないしな。 悪いけど……縛らせてもらうで……」
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