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ー空間ー161
そう雄介に聞かれてフライトアテンダントは雄介に操縦席へと行けるドアの暗証番号を教える。
普段はきっと一般客には教える事はないのだが、きっと雄介の活躍を見ていたのであろう。 だから教えたのかもしれない。
雄介はその間も何かイメージトレーニングでもしているのか、ただただ操縦席前のドアで考え事をしているようだ。
何かいい作戦はないのであろうか。 雄介の中ではきっと必死に乗客を助ける方法を考えているのかもしれない。
ただ今は雄介一人だ。 仕事でなら沢山の仲間がいるのだが、どう雄介一人で犯人のところに突撃しようかと悩んでいるのかもしれない。 いや、今のこの状況だとこのまま一人で操縦席の方に向かっていったら命さえも怪しいだろう。
そうだ雄介の中ではきっと自分一人が犠牲になっても乗客みんなが助かればいいとさえ思っているもかもしれないのだが、先程、望に『命だけは落とすなよ』と言われたばかりなのだから迷いも出ているのであろう。
雄介は人の命を助けるという仕事をしている以上、自分が動かなければ誰が動くんだ!? と思っているらしく全くもって知識の無い一般人に比べたら今は自分が動くしかないと思っているのであろう。
しかし操縦席の方は今どのような状況なのであろうか。 機長は勿論副操縦士は今どうしているのであろうか? 犯人にやられてしまっているのか? それとも犯人に指導されて飛行機を操縦しているのであろうか? このドアの向こうで何をしているのか? っていうのが未だに分からない状況だ。
犯人に脅されて操縦していても、もし犯人の方が操縦している状況でも乗客の命が危ないのは間違いない。
いつか見た外国でのハイジャック犯はそのまま飛行機ごとビルへと突入していた。 そんな事をされたら本当に全員が生きられるか? っていうのは保証出来ない。 それに大惨事にもなり兼ねない。
雄介は大きく息を吸い込むととりあえず何も内部の状況が分からないまま操縦席の方に向かおうとしたのだが、そこへ内線電話が鳴り響く。
内線電話があるのは客席の一番前。
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