497 / 2160
ー空間ー162
一番前に座っていたフライトアテンダントがその内線電話へと手を触れたのだがフライトアテンダントだって一般人と同じ状況と変わらない。 体を震わせているのだから。 それに気付いた雄介はその電話へと出るのだ。
きっと、この内線電話は操縦席にいる犯人からなんであろう。 いや、もしかしたら機長からなのかもしれないのだが、ここは気持ち冷静である雄介が対応する事にする。
「はい……」
雄介がそう出ると低い声で犯人が、
「お前誰だ?」
と聞いてくる。
雄介の思惑通りその電話の主はどうやら犯人からのようだ。 だが、何も考えずに思わず手にしてしまった事に雄介はどうしたらいいのかが分からないようだ。
とりあえず雄介は時間稼ぎかのように適当に何かを話し始め、その間に何か作戦でも思いつけばいいとでも思ったのかもしれない。
「俺はただの一般客やけど……。 アンタの方は誰が電話に出ると思ったんや?」
確かに雄介の方も操縦席での情報は分からないのだが、当然、操縦席にいる犯人達もフロアの事は分かっていないだろう。
当然、雄介がフロア内にいた犯人達を捕まえたという情報だって知らない筈だ。
雄介はそこで考える。 多分、操縦席側にいる犯人がフロアの状況を聞きに電話をかけて来たのであろうが、そこはもう雄介が犯人達を捕まえてしまい犯人達がこの電話に出る事は出来ない。
とりあえず今は一人が電話に出ているのだから一人は空いていない事になる。 雄介だって武道の達人ではない。 だから二人いっぺんに掛かって来られたら無理なのかもしれないのだが一人だけなら何とかなりそうだ。
「俺達の仲間を早く出さんかっ!」
ともだちにシェアしよう!

