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ー空間ー187

 そして雄介が乗客側にいた犯人を捕まえるまでの映像が映し出される。  雄介が犯人達を捕まえてからも乗客達の表情は安心したような感じではなかった。  特に白井の隣にいた望はずっと心配そうな表情で見ていたようだ。 雄介が操縦席にいる犯人と対応している間も雄介が操縦席へと向かった間も雄介の姿を追っている姿が映っている。  雄介は背中をソファの背もたれに預けると昨日あった事を思い出す。  確かに昨日の事件で動けると思った人間は雄介しかいなかった。 他の人達はやはり一般客であって今まで事件や事故には巻き込まれた事がない人達が多かったのであろう。 そこは普通の人間なのだから怯えて見てる事しか出来ない人間の方が普通だ。 だが雄介はそれほど武道とかには強くはないのだが普段から鍛えているだけあったのであろうか。 犯人達と無我夢中で戦っていた。 確かに、雄介的にはみんなの事を助けなければ! という気力だけで犯人達とやりあっていたから望みたいに待ってる人の気持ちまでは考えていなかったんだと思う。  もし雄介が望と同じ立場だったなら!? さっき見た映像のように心配しながらも見ている事しか出来なかったのかもしれない。 「これからは気を付けへんとな……」  さっきの映像を見たから今回の事で雄介は反省したのであろう。  そして雄介は昨日の疲れと背中の痛みに耐えながらキッチンへと向かう。  そう望が出掛ける前に望に何か食べさせてやりたいと思ったからだ。  雄介がまたテレビを点けながら料理をしていると望はどうやらお風呂から上がって来たようで自分の家にいるかのようにタオルを首に掛けリビングのドア前で突っ立っていた。

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