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ー空間ー188

「望……風呂から上がって来たんか? 今から飯作るし、そこにある食卓の椅子にでも座っておいて」 「あ、ああ、ありがとう」  望はそう雄介に言われて食卓の椅子へと腰を下ろすのだ。  すると、その席からも見えるのはリビングにある大きなテレビ。  テレビでは昨日のハイジャックのニュースがやっていて望の方もそのニュースを真剣な瞳で見つめる。 『さて、昨日のハイジャック犯の事件ですが、その中の一人が殺人犯だったらしく、逃走中の犯人だったらしいのです。 後の三人はネット上で集められた集団で犯行の動機については、世間をあっと言わせてみたかった。 と供述していると警察関係者からの情報です。 そして、その中の二人は飛行機の操縦をしてみたかったという事からハイジャックを企てたと言っていたとの事でした』 「……ったく! 何だよ! この犯人達! 動機があまりにも身勝手過ぎねぇか!? 自分達の自己満足で乗客を怖がらせるなんてさ!」  望は無意識だったのであろうか。 今まで昨日のニュースを大人しく見ていたと思っていたのだが、あまりにも犯人達の身勝手な犯行にムカついたらしく声を上げてしまっていた。 「せやな……ホンマ、今の人間っていうのは勝手な奴が多過ぎるな。 多分、小さい頃に親や教師に何も社会について教わって来なかったっていう証拠なんやろな?」  雄介はその望の独り言を聴いていたのか望の言葉に返事しているかのように言いながら出来た料理を食卓へと運んでくるのだ。  望はそうな風に言う雄介にハテナマークを浮かべながら雄介の事を見上げる。

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