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ー空間ー212

 望は寒かったのであろうか?  昨日、雄介は確か望の体を仰向けの状態で寝かせた筈だったのだが今は体を丸め雄介の方向に体を向けて足までも曲げてまるで猫のように寝てしまっていた。  しかし、この三日間は過ぎるのが早かった気がする。  望と一緒にいられる日は今日で最後だ。  また明日からは恋人がいない生活が始まる。  確かに恋人がいない日々を過ごすのは慣れた筈だったが、この三日間でその気持ちがまた戻って来てしまったようにも思える。  どうして神様はこの二人にこんなにも試練を与えるのであろうか? 恋人達というのは本当は幸せになって欲しいと思っていると思うのに。  例え男同士でも恋愛感情はある。 それに男女カップル以上に恋人になる前には沢山の試練があるというのに。  男女関係でもカップルになる前は悩む所なのかもしれないのだが同性同士の場合にはそれ以上に悩む事になる。 『相手は本当に同性を好きでいてくれるんであろうか?』『将来の事は?』『相手の本当の気持ちは?』と、悩みは本当にいっぱいある。  殆どの場合には同性を好きになっても玉砕覚悟で告白するしかないのかもしれない。 それでもカップルになれば、それなりに絆は深いのであろう。  雄介はフッと望の寝顔を見つめる。  今はすごく可愛い顔して寝ている望。 まさか雄介が本当に好きになった人が恋人になるとは思ってなかった事だ。  とりあえず今日は望との居れる最後の日。 もう望とこうしている時間が殆どない状態だ。  しかも自分達がしている仕事というのは互いに忙しい仕事だ。 雄介はレスキュー隊員、望は医者と本当に土日や連休なんて望めた仕事ではない。 ただ二人がしている仕事というのは共に人を助ける仕事でもある。 そこには誇りを持って仕事をしているのだからそれはそれでいい。  だからプライベートの方が下になってしまうのは仕方がない。  雄介はひと息吐くと一階へと向かうのだ。

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